子犬系男子は待てを知らない
「……っ」
続きの映像が頭に流れた瞬間、ぶわっと全身が熱くなった。
あの時はそれどころじゃなくて意識してなかったけど、あたし……!
雪平くんに抱き止められたんだよね。
今更すごいことだったんだと理解してうなだれる。
……雪平くんの身体、あたしなんかと全然違うかった。
大きくて、なんていうか……。
あーヤメヤメ!
しばらく恋愛はしない。
愛花に宣言したばかりのくせに、自らドツボにハマりかけるなんて。
「落ち着けあたし」
ドキドキには騙されない。
これはきっと、一種の吊り橋効果よ。
言い聞かせて、ドライヤーの風量をもう一段階引き上げた。