子犬系男子は待てを知らない
「山岡くん……!」
珍しい。
いつもは剣道部の朝練が終わったあとに来るから、まだ人が少ない教室にいるのがちょっと不思議な感じ。
「そういや、諒から聞いた」
「へ?」
こっちに近づいてきて言った山岡くんのそれに、理解が追いつかずぽかんとする。
「勉強会の話」
「あぁ!」
雪平くん、あのあと連絡したんだ。
あたしも愛花が来たらすぐに誘わなきゃ。
……てか。
「山岡くん、こーゆーの参加してくれるんだ」
なんか意外だなあ。
〝静かに一人で勉強したい〟
そんなタイプかと勝手に思ってたから、素直に嬉しい。