子犬系男子は待てを知らない
「……まあ。あいつにどうしてもと言われたらな」
「あーなるほど。ほんと仲良いねー、お二人さん」
ふふっと笑いながらバッグを机に置く。
高校からの付き合いのはずなのに、よっぽど気が合うみたい。
微笑ましいなーなんて思いながら視線を戻した時──。
「……ん?」
なんかすっごい険しい顔してない?
あたしは彼の視界に入るようにグイッと身を乗り出した。
「山岡くん?」
「いや……」
目が合った瞬間に、目線を逸らされてしまった。
だけど負けない。
「なに? 気になるんですけど」
「……」
ほら、と強気で詰め寄ると、山岡くんは観念したように息をついた。
「諒のことなんだが」