子犬系男子は待てを知らない


関口(せきぐち) 愛花(あいか)

小柄でふんわりボブの彼女とは小学校からの付き合いで、何かと気が合う。

可愛らしい見た目に反して結構ズバズバ言うし、ちょっとやそっとでは物怖じしない。

そういうところが楽しくて、あたしは好きなんだよね。


「ふーん」


そんな愛花は、どうやらあたしの返事が不満だったらしい。

返された何か言いたげな顔と声に、負けじと「なによ」と反抗する。


「違うならいいけどー?」

「もう、その嫌な顔やめてよ」


だいたいなに考えてるかはわかるけどさ?

前にも言ったはずよね。

雪平くんはただ、仲良くしてくれてるだけ。

あたしたちは別に、みんなが羨むような〝そういう〟関係なんかじゃないんだって。

< 6 / 352 >

この作品をシェア

pagetop