子犬系男子は待てを知らない


「おはよ、雪平くん!」

「おはよ」


シンプルな白のトップスに、少しダボッとしたパンツ。

控えめな金のネックレスが、さりげなくその首元に色を添えている。


雪平くんの私服久しぶりに見たな〜。

なんて考えていると。


「雪平くん、アンタ……」


愛花がじっと見上げて一言。


「寝癖ひどいわよ」


言われてみれば。

右側の上の方が、ぴょこんってはねてる?

いつもは綺麗にセットしてあるのに、今日はちょっとボサボサというか。


「ちょっとバタバタしてて……。気づかなかった」


照れくさそうに頭を押さえて整えようとする雪平くん。

その姿は──。

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