子犬系男子は待てを知らない


「は〜い……」


冷静になれ。これくらいでドキドキしてどうすんの。

見たかあの善意に満ち溢れた真面目な顔を。


雪平くんはただ解き方を教えてくれようとしてるだけ。気にする必要はない。


……そう、わかってる、けど……っ!


「あのー、雪平くん、肩が……」

「あっ、ごめん」


やっぱり我慢できず絞り出すように言うと、今やっと気づいたらしい反応が返ってきた。


「‎ううん、気にしないで」


……ふぅ。

これで思い切り集中して話が聞ける。


「よかった。じゃあこのまま教えるね」

「えっ?」


ちょっ。

そういう意味じゃ……!?

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