子犬系男子は待てを知らない
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辺りはすっかり薄暗くなっていた。
「じゃあ、またね山岡くん」
「ありがとう啓吾」
優しい眼差しに見送られ、あたしと雪平くんは帰り道を並んで歩く。
愛花が帰ったあと、少しだけ勉強して、それからは3人で談笑タイムだった。
好きなテレビに怖い先生の話。
剣道部のこととか、山岡くんのお父さんがパイロットだって話とか。
とにかく色んな話で盛り上がった。
楽しかったなー。
思い返すだけで口元が緩んでしまう。
……雪平くんが甘い物が苦手だってことを知った時は、ちょっと意外でびっくりしちゃったけど。
「さっきは勉強教えてくれてありがとね」
雪平くんのおかげで助かった。
距離感はさておき……教え方が上手いのか、すっごくわかりやすくって。
昨日までは全然自信がなかった数学も、なんだかいい点が取れそうな、そんな気がしてるんだもん。