子犬系男子は待てを知らない
バカじゃん。
考えないようにしてたのに、なんで思い出しちゃうかな。
あの時冷静じゃなかったとはいえ、雪平くんの前であんなの……。
うぅ、恥ずかしくてたまらない。
……でも。
そういえば雪平くん、なんにも触れてこないよね?
あれからなにもなかったみたいに。
色々質問されても困るから、助かってはいるんだけど……。
「なんで何も言わないんだろ」
「え?」
──やばっ!
聞こえた?
「やっ、なんでも──」
「もしかして、この前のこと?」
「っ!」