子犬系男子は待てを知らない
「璃子ちゃん」
「えっ?」
「そんなに見つめられたら、さすがに照れちゃう」
「っ!? ごめん!」
……あぁぁ、もう最悪。
あたしは火照った顔を隠すように愛花の後ろに隠れた。
──そうして、心を落ち着かせながら校門までやってきたんだけど。
「なにあれ」
目に飛び込んできた人だかりに、思わず声が出た。
まるで有名人でもいるんじゃないかというレベルで、集まった人たちがざわざわとしている。
「なあ、あの子知ってるか?」
「おいおい、あの制服他県のお嬢様学校のじゃん! なんでここに……」
へぇ、お嬢様学校ねぇ。
どんな子が……。