恋の微熱に溺れて…
「こんなタイミングで言うのはおかしいかもしれないですが、俺、京香さんのことが好きです...」

今、なんて言った?!好きって言った?突然の告白に、私は戸惑っている。
だって、社内で一番人気の彼に告白されるなんて、普通は思わない。特に私のような凡人以下の人間は。
慧くんはそんな私を尻目に、更に畳み掛けてきた。

「お試しで構わないので、俺とお付き合いしてください」

私には恋愛経験がない。お試し...なんて言われても、真に受けていいのか分からない。
でも、慧くんはこんなことを冗談で言う人ではない。ってことは、これは本気で告白され、本気で提案されているということになる。

「えっと…お試しって?」

できればお試しではなく、正式に慧くんとお付き合いしたい。慧くんもそう望んでいると信じたい。

「俺は京香さんが大好きなので、できれば京香さんと色んなことをしてみたいです。例えばキスとか。京香さんさえよければ、それ以上もしてもみたいです」

慧くんとのアレやコレやを、こちらは今まで何度も想像してきた。こちらはとしては願ったり叶ったりだ。それがたとえ一夜だけの関係だとしても。
それよりも今もまだ信じられない。まさか想い人も同じことを考えていたなんて。そんな姿を想像するだけで、眩暈がした。
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