恋の微熱に溺れて…
まずは優希と楽しい時間を過ごす。優希が行きたいお店がどんなお店なのか楽しみだ。
そんな気持ちを胸に、優希と待ち合わせしている駅へと向かう。
こうやって出かけるのも久しぶりだ。慧くんとは最近、お家でゆっくり過ごすことが多い。
慧くんは料理も上手なので、基本、慧くんが料理を作ってくれる。私もお手伝いをさせてもらっているが、殆ど慧くんがメインでやってくれているため、やることがない。
かといって慧くんのお家のため、勝手に他の家事をやるわけにはいかず…。一人で途方に暮れている。言い方を変えれば至れり尽くせりということである。
ある意味、私と一緒に居ないことで、慧くんに休んでもらえる。慧くんにはいつも働いてもらっているので、良い休暇になったと思ってもらうことにしよう。

…なんてことを心の中で言い訳しながら、私は優希との待ち合わせ場所へと向かうため、電車に乗った。
数十分電車に乗っていると、あっという間に目的地に着いた。早速、優希との待ち合わせ場所へと赴く。
すると、待ち合わせ場所に先に待っている人物が居た。私は声をかけて近づいた。

「優希!久しぶり…」

私が声をかけると、こちらを振り向いてくれた。
私を見つけた途端、一気に表情が笑顔へと変わった。

「京香!久しぶり。今日は来てくれてありがとう」

優希はサバサバしている。ショートカットの髪型も相まって、より男勝りな印象を与える。
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