恋の微熱に溺れて…
「いえいえ。こちらこそ久しぶりに誘ってもらえて嬉しい」

優希は私と違って、友達が多い。男女関係なしに色んな人と仲良くしている。
そんな優希が、まだ私を覚えてくれていて。友達だと思ってくれていることが嬉しい。
高校以降、進路が分かれてしまったため、会う頻度は減った。私は大学。優希は専門学校。
それ以降も度々会ってはいたが、仕事をし始めてからはめっきり減った。最後に会ったのは確か一年前…だったような気がする。

「どう?最近は元気?」

一年前の私は、仕事が忙しくて。心身共に疲弊していた。
最近は仕事が落ち着いてきたため、心身共に健康である。

「うん。元気だよ。優希は?」

優希はデパートにあるハイブランドのコスメショップ店員として働いている。
繁忙期はとても忙しそうなイメージがあるので、優希の方が大変そうなイメージだ。

「今は落ち着いてる時期だから、暇な時は暇だよ。めっちゃ元気」

元気そうで、お互いに安心した。
こうして会わないと、近況報告ができない。生存確認の意味も込めて、顔を合わせて話すのはとても大事だなと、改めてそう思わされた。

「そっか。元気そうでなによりです」

久しぶりに会えて嬉しい気持ちが爆発し、テンションが上がってしまった。
いつまでもここに居るわけにはいかないので、そろそろ移動した方が良さそうだ。

「そろそろお店に移動しよっか」

優希も同じことを考えていたみたいだ。せっかく優希が行きたいお店に行くので、時間が勿体ない。早く移動した方がいい。

「そうだね。お店に移動しよっか」

ここで一旦、お話は中断し、優希の案内でお店へと向かった。
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