恋の微熱に溺れて…
「…程々にね。勘違いする子もいるだろうし」

きっと優希に惚れてしまった同性の子はたくさんいるはず。無自覚って恐ろしい。悪気がないから、余計に質が悪い。

「そんなことないよ。頼りにされることはあるけどね」

優希は確かに頼りになる。中身がイケメンだから。

「…はぁ。そっか。優希は確かに頼りになるよね」

これ以上話を続けても、優希が認めてくれそうにないので、強制終了することにした。

「そう言ってもらえて嬉しい。頼られるの嬉しいから」

優希は名前の通り、優しい子だ。何かをしてあげたいと思う気持ちが強いみたいだ。
そんな優希とお付き合いする彼氏は、優希よりイケメン度を発揮しなくてはならないので大変そうだ。

「そっか。さすが優希だね」

いつも誰かのために行動できる、優しい心を持った優希が、人として素敵だなと思った。

「うん。さすが私だから」

自分でそう言えるくらい、優希は魅力で溢れている。それぐらい素敵な人だ。

「さて。そろそろ注文しますか」

優希が空気を変えてくれた。さすがにそろそろ注文しないと、ただ居座っている人になってしまう。
それはまずいので、まずはとにかく注文することにした。

「そうだね、何にしようかな……」

メニュー表を見ると、とても美味しそうなメニューが豊富で。目移りしてしまい、なかなか決まらない。

「うーん…、どうしよう……」
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