恋の微熱に溺れて…
「私も彼氏はいるよ。前回、京香に会ったすぐ後から付き合ってて。もう一年くらいかな」

優希は高校時代から彼氏がいて。別れてもまたすぐに次の人がいた。
前回会った時は、仕事が忙しくて、なかなか会えずにすれ違って別れた…と言っていた。
その後、すぐに彼氏ができたみたいで、心から安心した。

「そうだったんだ。優希も彼氏いたんだね。よかった…」

お互いに彼氏がいて。今、幸せを分かち合えているのが嬉しかった。
私はずっと浮いた話がなかった。だからどこかずっと他人事だと思っていた。
そんな私がようやく皆と同じ気持ちを共有できている。
それがとても嬉しくて。これからもこんなふうに分かち合えたらいいなと思う。

「うん。私も京香に彼氏ができて嬉しい」

優希は私に今までずっと彼氏がいなかったことを知っているため、より一層嬉しそうにしている。

「…優希の彼氏はどんな人なの?」

踏み込んで聞いてみた。純粋にどんな人と付き合っているのか気になった。

「出会いは職場の人の紹介で知り合ってね。年上で。優しくて。今、彼氏と同棲してます」

想像を遥か上を超えていた。私とは違い、ちゃんと大人な付き合い方をしているなと感心した。

「そうなんだ。同棲してるんだ…」

驚きが大きく、どう反応したらいいのか分からず、変な反応になってしまった。

「今まで同棲したことがなかったから、最初は不安の方が大きかったけど、相手が大人だから色々なんでも家事とかやってくれて。寧ろ私のやることが何もないことに困ってるというか、本当に素敵な人に出会えたなって思ってる」

優希の幸せそうな表情に、私もいつか慧くんと同棲したいなと思った。
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