恋の微熱に溺れて…
なかなか会えないと、少し不安になる。相手も同じ気持ちかどうか。
こうやってはっきりと言ってもらえると、自信が持てる。優希の親友だと…。

「私も嬉しいよ。京香がそう思ってくれていて」

改めて確認するのもおかしな話だが、言葉にして伝えると、相手の思っていることが知れて嬉しい。
優希との友情がこれからも長く続くことを願った。

「ふふ。なんかニヤけちゃうね」

女友達と過ごす時間はとても楽しい。居心地が良くて。素の自分を解放できる。
久しぶりに友達と過ごして、そんなことを思った。

「京香は彼氏とどうなの?将来の話とかしてるの?」

私はまだ慧くんとそこまで話せていない。
いつか…とは思う。もちろん慧くんと。

「まだ将来の話はしてない。彼も若いし、私も初めて彼氏ができたから、それだけで浮かれてた」

優希にバカだと思われたかもしれない。良い大人が何も考えずにお付き合いしていることを。
恥ずかしい。浮かれていた自分が。そろそろ真面目に将来のことについて考えようと肝に銘じた。

「そっか。その気持ち分かる。私も今の彼とお付き合いできて浮かれちゃったもん。彼の方が大人だから、色々考えてくれてるって感じだからさ」

誰しも誰かを好きになると、恋の熱に浮かされて、周りが見えなくなってしまう。
優希も同じだと知り、私だけじゃないということが分かって安心した。
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