恋の微熱に溺れて…
「そう…かもしれない。優希はどうなの?」

この際だから、聞いてみた。この機会じゃないと、聞けないから。

「上手いか下手かで言えば、上手いよ。でも彼も私もそんなにしたいって人じゃないから、軽いスキンシップくらいで満足してるかな」

優希は私と違って経験がある分、余裕がある。
だから、私より大人な付き合い方ができているのかもしれない。

「そうなんだ…。好きな人とだったら、一緒に居られるだけで幸せだよね」

紛れもない本音だ。私だってスキンシップだけでも幸福感を味わえる。
でもそれ以上を知ってしまった私は、刺激が欲しくて物足りない。この乾きはこの先も続くと思う。あなたが教えてくれた熱だから。

「京香、人それぞれだよ。付き合うカップルによって、それぞれの形があるから。京香がそれで幸せなら、それでいいんだよ」

人と比べる必要なんてない。当人がそれで幸せなら、それでいい。優希の言葉を聞いて、安心した。私は私で良くて。これが慧くんとの愛の形なのだと。

「そうだよね。自分達らしくいればいいんだよね」

心に抱えていたものがなくなった瞬間、急に慧くんに会いたくなってきた。
優希と解散したら、慧くんの元へ会いに行こうと思う。

「うん。そうだよ。実際、女性は付き合う男性によって、変わるからね」

どういう意味だろうか。優希の言葉の意図が分からなかった。
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