恋の微熱に溺れて…
「いいよ。それじゃ私から見せるね」

そう言って、優希は鞄の中からスマホを取り出した。そして、私に彼氏を見せてくれた。

「はい。これが私の彼氏」

優希の彼氏は、爽やかで清潔感のある人で。画面に映る二人は、とても幸せな表情を浮かべていた。

「優希の彼氏、かっこいいね。何歳なの?」

年上としか聞いていない。純粋に何歳なのか気になった。

「三十八歳。十上なの」

意外な事実に、驚きを隠せなかった。私達とそんなに変わらないくらいだと思っていた。

「そうなんだ。年齢より見た目が若いね」

三十歳と言われても疑わないレベルだ。この世に存在しているかと思うレベルで。

「そうなのよ。年齢を知った時、びっくりしちゃって…」

確かに驚きを隠せない。私も隠せなかった。

「確かに…。この世の不思議な現象だね」

優希の彼氏の顔面が素晴らしいのは確かなことだが、きっと彼氏さんなりに影で努力しているのであろう。
私も見習おうと思う。美に追求して、もっと綺麗になろうと思う。

「それで、京香の彼氏は?」

自分の番が回ってきた。緊張しながら、スマホの画面を見せる。

「この人です…」

私がスマホを見せると、優希の目が見開いた。きっと自分の彼氏に劣らないイケメンを見たからであろう。
< 135 / 136 >

この作品をシェア

pagetop