恋の微熱に溺れて…
「さて、今は料理に集中しよっか。早く作って食べよ」

お腹が空いている。もう一刻も早くお腹を満たしたい。

「そうですね。ササッと作っちゃいましょう」

先ほどまでの雰囲気から一転、二人で一緒に共同作業をし、すぐに作り終えた。
一緒に作った料理は美味しくて。気がついたら目の前の料理がなくなっていた。そのくらい美味しかった。

「さて。このままお風呂に入っちゃいましょう。せっかくなので一緒に…」

慧くんが一緒にお風呂に入るのが好きだということが最近分かった。
さすがに今回はたくさん求め合ったので、お風呂ではそういう展開にならないであろうという高を括って、私は了承した。

「いいよ。一緒に入ろっか」

私がそう言った瞬間、とても嬉しそうな表情を浮かべた。私自身はそこまで一緒に入ることに前向きではないが、彼がこんなに喜んでくれるので、その顔が見たくて了承していると言っても過言ではない。

「やった。それじゃ俺、京香さんの分の着替えも用意してきますね」

手ぶらで来てしまったため、私は何も準備していない。本当に申し訳ないことをした。せめてお泊まりの準備をしてから来るべきだった…。あと事前に連絡も。

「お待たせ致しました、はい。これが京香さんの着替えです」

慧くんの寝衣を貸してくれた。さすがに下着までは…。男女ということもあり、下着を貸すことは難しい。それに慧くん家に荷物を置いていくこともないため、替えの下着もない。今回は今着ているのを着回すことにしよう。

「ありがとう。助かります」

寝衣に着替えられるだけマシだ。寝る時くらいは寝やすい格好に着替えたい。
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