恋の微熱に溺れて…
車のエンジンをかけ、京香さんとの待ち合わせ場所へと向かう。
そんなに遠くない場所にあるため、目的地にはすぐに着いてしまう。
数十分車を走らせていると、あっという間に目的地に着いた。
俺は待ち合わせ場所の近くにある駐車場に車を一旦、停めた。
そして、そのまま俺は京香さんと待ち合わせ場所へと向かった。待ち合わせの時間より早めに着いたので、まだ京香さんは来ていない。京香さんより先に着いたことに安心する。
できれば女性を待たせたくない。男が先に着いていたいと昔からそう思い、行動している。
京香さんはしっかりしているため、待ち合わせの時間より早めに来ることが多い。とはいっても、五分前から十分前にやって来ることが多いが…。
なので、俺はそれよりも少し早めに来る。男の方が支度に時間がかからないため、無理なく早めに来ているといった感じだ。
待つこと五分。京香さんがやって来た。俺を見つけた瞬間、慌てて俺の元へと駆け寄ってきた。

「ごめん。待たせちゃったよね…?」

こちらとしては待たされるのが役目なので、仮に本当に遅刻されたとしても何も思わない。
そもそも京香さんはちゃんと時間内に来ているので、問題ない。

「大丈夫ですよ。ちゃんと時間内に間に合ってますので」

俺の言葉を聞いて、京香さんは安心していた。京香さんは真面目なため、ちゃんと時間を守れたかどうか気になるのであろう。
そんな真面目なところも好きだが、たまにはそんなに気にしないでもらえると嬉しいなとも思う。

「そっか。それならよかったです」

いつか京香さんが俺相手なら待たせてもいいと知ってほしい。京香さんなら待たせてもらえる方が嬉しいと。
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