恋の微熱に溺れて…
「…う、うん。肝に銘じておく」

…としか言えなかった。いつ慣れるのか分からないが、少しずつ慣れていくのを、今は信じるしかなかった。

「我慢してるので、あまり俺を煽らないでくださいね」

慧くんはドキドキさせる天才だ。私よりよっぽど煽り上手だ。

「だ、だって…、そう言うしかないし、私だってそういうことしたくないわけじゃないし……」

私の発言で、慧くんの目が見開いた。
そして、次の瞬間、再び抱きしめられた。

「そうなんですね。俺的には良いことを聞きました」

そう言った後、不意に唇に慧くんの指先が触れた。
妖艶な笑みと指先に、私の心臓は一気にドキドキした。

「これからが楽しみです」

慧くんの一言一言に、私は翻弄されっぱなしなのであった…。
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