恋の微熱に溺れて…
「うん。得意だから、大丈夫だよ」

私の答えを聞き、慧くんは安心したみたいだ。

「それなら、回りたいアトラクションを順番に回っていきましょう」

お互いに苦手なアトラクションが特にないのであれば、各々が乗りたいアトラクションに乗ればいい。
私は慧くんの提案に乗ることにした。

「うん。そうしよう!」

入場チケットを買って、園内に入場し、真っ先にアトラクションへと向かった。
まずはジェットコースターに乗った。速いスピードに、私は大きな声で絶叫した。
絶叫中、ずっと慧くんは私の手を握ってくれていた。その手の温もりに、私は安心した。

「結構、激しいジェットコースターでしたね」

爽やかな笑顔を浮かべながら、まだ手を握りしめたまま、慧くんは余裕がありそうな表情でそう言った。

「うん。凄かった…」

絶叫は苦手ではないと思っていたが、久しぶりに乗ると、迫力があって圧倒された。

「京香さん、めちゃくちゃ叫んでましたよね」

隣に座っていたので、私の叫び声を慧くんはずっと聞いていた。

「ごめんね。うるさったよね?」

「全然うるさくなかったですよ。寧ろ可愛いって思いました」

可愛いって言われた。恥ずかしくて、照れてしまった…。

「そ、そうかな?もう恥ずかしい…」

私の反応を見て、慧くんは嬉しそうな表情を浮かべていた。
いつまでも恥ずかしがっていたら、慧くんにからかわれそうなので、もう恥ずかしがるのは止めた。
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