恋の微熱に溺れて…
「お次の方、どうぞ」

チケット売り場のお姉さんから声をかけられたので、私達はチケット売り場へと向かった。

「大人二枚で」

スマートにチケットを購入してくれた。私は黙って横に付いているだけだ。

「大人二枚ですね。…ごゆっくりお楽しみください」

受付のお姉さんは混んでいることもあり、業務的に素早く対応してくれた。
私達はチケットを受け取り、入場ゲートへと向かった。
受付の監視員にチケットを提示し、いざ園内へ。
園内へ足を進めると、色とりどりの電飾が光り輝いている。

「わぁ…綺麗……」

思わず声が漏れてしまうほど、美しい光景に圧倒される。

「綺麗ですね。ずっと見ていられます」

この光の輝かしさに心も目も奪われてしまう。
手を繋ぎながら二人で目の前のイルミネーションに立ち尽くしてしまった。

「ずっとここに居てもアレなので、他の場所も見てみましょうか」

園内は広い。様々な電飾があり、形も違う。
一箇所に思い留まるのは勿体ないので、移動して色々見た方が楽しめる。

「そうだね。移動して他のも見てみよっか」

人混みで逸れてはまずいので、ずっと手を繋いだ。
もちろんそれだけではない。繋いでいたいから手を離さなかったと言った方が正しい。
クリスマスは人前でイチャイチャしても人の目が気にならない。とても素敵なイベントだ。
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