恋の微熱に溺れて…

19度:初めての年越し

クリスマスから一週間が経過した。
なんとか仕事を乗り切り、冬休みに突入し、今は家の中を大掃除している。
一年間の汚れが溜まりに溜まっており、掃除と片付けをしているだけで大晦日を迎えた。
一緒におせちを買いに行くと約束したので、なるべく早い方がいいと思い、午前中から慧くん家へと向かった。
玄関のインターフォンを鳴らし、慧くんに開錠してもらう。

「おはようございます、京香さん」

朝から爽やかな笑顔を向けて、嬉しそうに出迎えてくれた。
たったそれだけのことで、私は朝からとても気分が良かった。

「慧くん、おはよう。朝早くからお邪魔します…」

「どうぞ。中へ入ってください」

お家の中へ入っていいと言われたので、玄関で靴を脱いでから、家の中へ足を進めた。
まず寝室へと向かった。何日か泊まるので、荷物が多い。
そのため荷物を寝室に置き、そのままリビングへと向かった。

「慧くん、お待たせ」

「全然待ってませんよ。それじゃスーパーへ行きましょうか」

明日のおせちのために、スーパーへと向かう。
最近は一月一日もやっているお店もあるが、閉まっているお店もある。
なので年内に用意しておくことは大事だ。それに当日にないというのはそれはそれで寂しい。
こういうのは雰囲気を味わうのが大事だ。少しでもいいからそのために必要な物を準備しておきたい。

「そうだね。行こっか」

手を繋いで一緒にスーパーへと向かった。
慧くん家から徒歩で約十分といったところだ。

「結構大きいスーパーだね」

駐車場も完備されており、車でも来ることができるみたいだ。
私達は車で来るような距離でもないし、歩いて帰れるだけの荷物の量を買う予定なので、そこは問題ない。

「そうなんですよ。だからつい、色々買ってしまいます」

慧くんがあまり無駄遣いをしているイメージはなかった。
そんな彼の姿を想像し、愛おしいと感じた。
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