恋の微熱に溺れて…
「美味しいですね。せっかくですしおつまみも用意しましょう」

慧くんはそう言った後、すぐにおつまみを出してくれた。

「どうぞ。おつまみです」

目の前には美味しそうなおつまみがたくさん用意されている。勝手に口の中で涎が溢れる。

「美味しそう…」

「是非、食べてください。俺はこれにします」

慧くんが手に取ったのは、チータラだった。チータラはチーズ好きにしたら堪らないおつまみだ。
私もチータラが食べたいと思い、手を伸ばしたが、途中で気になるものがあったので、そっちにした。

「じゃ私はカルパスにする」

「カルパスも美味しいですよね。俺もカルパス食べたいな…」

どうしておつまみってこんなに美味しいんだろうか。無限に食べてしまう。

「私もチータラが食べたいな。チータラももらおうっと…」

カルパスを食べ終えたので、次はチータラを手に取った。
チーズが好きな私にはチータラは大好物で。一度食べてしまったら食べる手が止まらなかった。

「チータラも美味しい。どうしよう、手が止まらない...」

「分かります。俺もチータラとカルパスの無限地獄です」

慧くんの手元にはカルパスをたくさん食べたゴミが蓄積されていた。
ふと自分の手元も確認すると、気づかないうちにカルパスを食べたゴミがたくさん蓄積されていた。

「お互いに結構食べたね」

私の言葉を聞いて、慧くんも自分の手元と私の手元を見る。
そして見た瞬間、慧くんは微笑んだ。

「本当だ…。食べ過ぎちゃいましたね」

こんなに食べるつもりはなかった。明日の分もちゃんと考えていた。
食欲とは恐ろしい。自分の意思とは反して、欲望に忠実に従ってしまうのだから。
< 218 / 241 >

この作品をシェア

pagetop