恋の微熱に溺れて…
「そうだね。これ以上食べ過ぎちゃう前に、片付けちゃおっか」

「そうですね。そうしましょう」

おつまみはまた必要な時に食べることにした。
片付けたついでにお昼が近かったので、お昼の準備も始めた。
とはいっても先程、おつまみを食べ過ぎたので、軽めの昼食にしておいた。

「軽めとは言えども、少し重かったですね…」

こういう時、加減が分からない。
でもこれはこれで休みの醍醐味な気がして。悪くないと思った。

「確かにそうだね。ここは無理をせずに残して、冷蔵庫に入れておいて、食べられる時に食べよっか」

幸いすぐに食べないと腐るものではなかったので、残しても問題なかった。

「そうですね、その方がいいですね」

あまり昼食は食べられなかったけど、その分また別の機会に食べられるので楽しみだ。

「それじゃ片付けよっか。洗い物は私がやるね」

泊まらせてもらう身なので、それぐらいはやらせてもらいたい。
それに好きな人のために何かしてあげたいと思うのは当然で。慧くんには少しゆっくりしてもらいたい。

「分かりました。洗い物は京香さんにお任せしますね」

気遣い屋の慧くんが、素直に私に任せてくれた。
たったそれだけのことが嬉しかった。慧くんもやっと私に気を遣わなくなったんだなと感じることができた。

「うん。任せて」

それから黙々と洗い物をした。二人分なのでそんなに多くはないため、すぐに洗い物は終わった。

「お待たせ。慧くん、洗い物終わったよ」

声をかけると、寝息を立てて眠っていた。疲れていたのであろう。そのまま眠らせてあげることにした。
そしてついでに私も一緒にお昼寝をすることにした。休みなのだから、こんなふうに一緒にダラダラするのも悪くない。

「おやすみ、慧くん…」

眠っている彼に伝えても聞こえていないと思うが、敢えて伝えた。
そしてそのまま目を閉じ、私も眠りに落ちた。
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