恋の微熱に溺れて…
「トロンとした()をしてますね」

私は初めてしたキスに、頭がボーっとしていた。
そんな私を見て、慧くんはニヤッとした表情を浮かべていた。

「可愛い過ぎます。優しくしたいのに…」

きつく抱きしめられた。彼の腕の中で、彼の熱い想いに触れ、大事にされているなと感じた。

「慧くんの好きにして、大丈夫だよ…」

こんなに大事に想ってくれている人なら、何をされても構わないと思った。

「そういうことを軽々しく言わないでください」

大事にしたいのに、私の言葉のせいで戸惑っている慧くんがいた。
私はなんてことを言ってしまったんだろうかと、自分の大胆さに驚いていた。

「ごめんなさい…」

「謝らなくても大丈夫です。代わりに身体で責任を取ってもらいますので」

今まで私にペースを合わせてくれていた慧くんが、少しペースを上げ、グイグイくるようになった。
そのまま私をベッドの上に押し倒し、再び深いキスをした。
流れるように事は進んでいき、気がついたら慧くんと一つに繋がっていた…。


           *


初めてを好きな人に捧げた。もう処女ではなくなった。
好きな人と一つに繋がることは、こんなにも幸せなんだと知った。
これからこういったことをたくさん慧くんとしていくのかなと思うと、身体に熱が込み上げてきた。

「京香さん。初めてはどうでした?」

感想を聞かれ、私はどう答えるのが正解なのか分からず、正直な想いを伝えた。

「…よく分からないまま、ただひたすら与えられる感覚に応えるのに必死で。気持ちよすぎで、やばかったです」

もう何がなんだかよく分からなくて。
ただ、慧くんの与えてくれる温もりが心地良くて。気がついたら、その熱に溺れていた。
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