恋の微熱に溺れて…
「初めてだったのに、身体は大丈夫ですか?」

自分から先にお願いしたくせに、慧くんは確認を取ってきた。
どこまでも私を優先する気持ちに変わりはないんだなと思った。

「うーん、どうだろう?今のところ大丈夫だよ」

「そうですか。それならよかったです」

私の言葉を聞いて、慧くんは安心したみたいだ。
私自身も驚いていた。身体が平気なことに。
きっと慧くんが、なるべく身体に負担がかからないようにしてくれたんだと思う。
そういうところも含めて、細部にまで配慮するところに感心した。

「慧くん。大丈夫だから、もう一回しても大丈夫だよ?」

私の方が期待していたのかもしれない。もう一回、慧くんの熱を感じられるのを…。

「いいんですね?遠慮なく、おかわりさせて頂きます…」

慧くんが手を伸ばし、私の髪を掬うように触れてきた。
そのまま慧くんの手はどんどん下へ降りていき、慧くんの手によって、私の身体は再び熱を帯び始めた。
すぐに私の変化に気づいた慧くんは、更に追い打ちをかけてきた。またその熱に溺れた。

「京香さん。まだ頑張ってもらいますからね」

そう言った慧くんは、私を抱いた。これで二回目。
二回目は一回目よりも、更によく分からないまま、与えられる熱に答えるのに必死で。
私はそのまま深い眠りに落ちた…。


           *


陽射しが眩しい…。
陽の明るさに目を覚ますと、身体が気怠い。
いつもと違う気怠さに、私がもう処女ではなくなったことを実感した。

「京香さん、おはようございます」

隣で眠る慧くんに、朝の挨拶をされた。
慧くんは朝から爽やかで。その笑顔が眩しくもあり、同時に幸せな気持ちが込み上げてきた。
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