恋の微熱に溺れて…
「…おはよう」

「俺、こんなに元気な朝は初めてです」

めちゃくちゃ元気が有り余っている様子だ。
もしかして、この流れって…。

「う、うん。そうみたいだね」

「こっちも元気なんです。朝なので」

目線を下に向けると、確かにめちゃくちゃ元気だ。
慧くんのエネルギーは、どこから生まれるんだろうと不思議に思った。

「俺の元気に付き合ってくれますか?」

付き合わないと言ったら、きっと悄気(しょげ)るだろうし、結局付き合うように仕向けられるであろう。
だったらもう答えは、最初から決められているも同然だ。それに、私もなんだかいつもより元気だ。

「いいよ。私も元気だから」

「それは嬉しいことが聞けましたね。朝からどこまで頑張れるのか、試してみましょっか」

私はどうやら、慧くんのやる気スイッチを押してしまったみたいだ。
もうこれは朝からお互いに熱を確かめ合う流れだなと悟った。

「お手柔らかにお願いします」

「なるべく気をつけますが、京香さんがいつも可愛い過ぎるので、制御できる自信がありません」

雄の色気をぷんぷんとさせながら、強い瞳でそう言われた。
その瞳に囚われたら、私はもう逆らえなくなってしまう。そのまま慧くんの熱に落ちた。

「その瞳が俺を狂わすんです。もう限界です…」
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