恋の微熱に溺れて…
「ありがとう。慧くんもお疲れ様」

私も彼の疲れを少しでも癒したいと思い、同じように労いの言葉をかけた。

「ありがとうございます。京香さんにそう言ってもらえて嬉しいです」

今すぐにでも抱きつきたい衝動に駆られた。
でも、人前なので我慢した。お家に帰ったら、思いっきり抱きつこうと思う。

「それじゃ、家へ帰りましょうか」

今日も今日とて、慧くん家に行く。私達の間では当たり前になりつつあった。

「うん。そうしよう」

手を繋いで、お家に帰るまで歩いた。私の胸はドキドキが加速した。

「そういえば。京香さん。最近、如月さんとよく話してますね」

如月くんのことについて触れてきた。誤解しないでほしい。そんなに大した話をしていないし、これまでそんなに仲良くしていたわけではない。
そのことをどうか、慧くんに伝わってほしいと願った。

「なんか最近、やたらと話しかけてくるの。この間、たまたま見かけて声をかけたからかな?同期ってことくらいしか、接点がないんだけどね」

言い訳に聞こえるかもしれないが、これが紛れもない私の本音だった。

「そうなんですね。如月さんと同期なんですね」

自分の同期以外、誰と同期かなんて分からない。
慧くんは後輩なので、私と如月くんに接点がないから、知る由もなかった。
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