恋の微熱に溺れて…
「うん。実はそうなの…」

「新たに京香さんのことを知れて嬉しいです。もっと京香さんについて知りたいです」

私ももっと慧くんについて知りたい。好きな人のことはどんなことでも知れると嬉しいから。

「私も慧くんのこと、もっと知りたい」

繋いでいる手に想いを込めて伝えた。同じ気持ちであると…。

「京香さんになら、いくらでも教えますよ」

優しく耳元で囁かれた。胸の奥が熱くなり、早く慧くんとイチャイチャしたくなった。

「慧くん。私…、」

「言わなくても分かってます。俺も同じ気持ちなので」

慧くんも同様、私の手を強く握り返してくれた。
その手の温もりに、私の心も熱くなった。

「まだあまり煽らないでくださいね。我慢しないといけないので」

さすがに人前で手を繋ぐ以外のイチャイチャはできない。人目が気になるからである。

「う、うん。気をつける…」

顔を赤く火照らせながら、二人して家に着くまで黙っていた。
家に着いた途端、玄関の前でキスされた。深く甘いキスを何度も繰り返し、キスの熱に溺れた。
気がついたら、玄関の中にいて。ずっとキスの嵐が降ってきた。

「もう我慢できないので、失礼します」

そう言って、慧くんは私をお姫様抱っこした。
寝室のベッドまで運んでくれた。

「いいんですよね…?」

一応、確認を取ってくれる。家に着く前にお互いの気持ちは確認し合っているのに…。
その優しさに胸の高鳴りが上昇していく。その先を想像して、期待してしまう。
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