恋の微熱に溺れて…
「私は基本、何でも好きだから、何でも食べれるし、飲めるよ」

「へー。そうなんだ。お酒は?」

お酒も特にこれがダメ!とかはない。
そもそもあまり強くないため、そんなに量は飲めない。

「お酒はそんなに強くないから、量は飲めないけど、お酒自体は結構好きだよ」

「そうなんだ。確かに葉月、お酒そんなに強くなさそうだもんな」

確かにそうだが、ちょっとバカにされているみたいで、ムッとした。

「ちょっとそれは失礼じゃない?強くないのは本当だけど…」

すると、如月くんが私の頭に触れてきた。膨れた私を宥めるために…。

「冗談だよ。からかってごめんな」

優しい音色でそう言った。その声に少しだけ胸が高鳴った。

「今度、飲みに行かないか?」

真剣な眼差しで、まっすぐ見つめながら、如月くんはそう言った。
一瞬、流れに身を任せて、首を縦に頷きそうになったが、私には慧くんがいるので、首を横に振った。

「そうか。難しいか…」

明らかにしょげている。可哀想に思いつつも、恋人の顔が頭に浮かんだ。

「ごめんね。気持ちは嬉しいけど、如月くんの気持ちには応えれない」

お付き合いしている人がいなかったら、同期の(よしみ)で飲みに行ったと思う。
でも今は、慧くんが大事なので、心配させるようなことはできない。
だから、ちゃんと断った。恋人が大切だからである。
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