恋の微熱に溺れて…
「ねぇ、慧くん。一つ提案なんだけど、これからはなるべく昼休憩以外の時間も、一緒に休憩しない?」

私から頑張って提案した。少しでも如月くんのことで、慧くんの心の負担を減らしたかった。

「いいですよ。寧ろお供させてください!」

私の提案を喜んでくれている。慧くんが私と一緒に居たいと思ってくれている気持ちが、嬉しかった。

「それじゃ、明日からよろしくね」

「はい!是非、よろしくお願いします」

こうして、職場でもずっと一緒に居ることになった。
ただ他の女性社員の目は、少しばかり気になるが、今はそれよりも慧くんの方が大事だった。


           *


あの日は慧くん家に行って、まったり一緒に過ごすだけで終わった。エッチなことは一切、しなかった。
期待していたわけではないが、私は慧くんによって変えられてしまった。
肌と肌の温もりの心地良さを知ってしまった今は、もう求めずにはいられなくて。
少し物足りなく感じたが、こうして一緒に過ごせるだけでも幸せを感じられた。

そして今日からは、休憩時間をずっと一緒に過ごそう作戦を決行する。
あと五分で、十分休憩だ。慧くんは同じ部署なため、わりと席が近い。
そのため、時間がきたらすぐに席を立ち、慧くんの元へと向かおうと思う。
休憩時間がくるまで仕事に集中した。そんなこんなであっという間に休憩時間となった。
早速、席を立ち、慧くんの元へと向かおうとしたその時だった…。

「よ!葉月」

如月くんも簡単に諦めるはずがなくて。
この時、初めて自分の作戦の詰めの甘さを知った。
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