恋の微熱に溺れて…
*
「打ち上げですか?一応、僕は参加するつもりです」
慧くんが参加すると知り、内心安心した。
「京香さんも参加しますか?」
逆に質問返しされた。もちろん、私の答えは決まっていた。
「私も一応、参加する予定だよ」
私の言葉を聞いた慧くんは、安心した顔をしている。
慧くんも私が参加するかどうか、気にしてくれていたのかな?
.....って、それはさすがにないか。話の流れからして、聞かないと失礼だとでも思ったのであろう。
彼に深い意味はないと知りながらも、一瞬期待してしまった浅はかな自分が憎い。
ただ、彼が打ち上げに参加すること自体は嬉しいので、心の中で喜んだ。
「そうなんですね。打ち上げ、楽しみですね」
「そうだね。楽しみだね」
もう一緒にお昼を食べる時間が終わる悲しさが、今の私の心を襲った。
思いっきり打ち上げを楽しみ、慧くんと一緒に過ごす時間を満喫しようと決意した。
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「それではチームの成功を祝って、乾杯」
「「「「「「カンパーイ!!!!!」」」」」」
最終日を迎えてしまった。これで最後か。
結局、最後まで連絡先を聞くことはできなかった。
今思えば、これでよかったと思ってる。もし、私が連絡先を聞いていたら、慧くんは優しいから嫌でも教えてくれたと思う。
私はそこまでして、彼の連絡先を知りたいとは思わない。
今日まで一緒に過ごしてきた大切な思い出を、胸にしまっておくことにした。
「京香さん、お疲れ様でした。一緒にお仕事できて嬉しかったです」
私も嬉しかった。こんなに好きな人の傍に居られたのだから。
「こちらこそ。これからも部署は一緒なので、このチームが解散してもよろしくね」