恋の微熱に溺れて…
「その時のことは大丈夫です。俺が悪かったので。寧ろ俺の方こそごめんなさい」

逆に謝ってくれた。今まで抱えていた不安が、すぐに消え去った。

「もう大丈夫だよ。これでこの間のことはお終いにしよ?」

いつまでも辛気臭い雰囲気は嫌だ。早く慧くんとイチャイチャしたい。

「京香さんがそれでいいのでしたら、俺はそれでいいです。もう二度と京香さんを傷つけません」

こんな風に宣言されると、大切に思われているのだと知り、嬉しくなってしまう。
それに、ここまで反省している人を許さないほど、私も厳しくない。
私は改めてこの人のことが大好きなんだと、思い知った。

「そう言ってくれてありがとう。慧くんの気持ちが嬉しい」

頑張って、私から手を繋いだ。私も同じ気持ちだと伝えるために…。

「京香さん。今夜、もしよかったら…」

甘い雰囲気に浸っていたら、目の前に現れた。

「…やっぱり、お前らって付き合ってたんだな」

どうしてここに如月くんがいるの?付き合っていることも何で知ってるの?
聞きたいことがたくさんあるが、何から聞いていいのか分からない。

「俺、ずっと言わずにいたけど、葉月のことが好きだ。こんな男よりも…」

今、目の前にいるのは如月くん。
その如月くんが私を好きだと言った。
そんな素振り、一切見せてこなかったくせに…。
突然、こんなところで告白されて困る。私は如月くんの告白に、どう答えたらいいのか分からず、立ち尽くしていた。
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