恋の微熱に溺れて…
なんとなくだけど、最初から如月くんの気持ちに応えられないことを分かった上で、如月くんは告白してきたんだと思う。
告白された段階で、私が慧くんと付き合っていることを知っていたというのもあるが、それだけではなく、私が一切、如月くんを恋愛対象として見ていないことを、如月くんは分かっていたように思う。
これは完全に推測なので、本当のところは分からないが。
ただなんとなく如月くんなら、そんな気がした。

「そう…だったんですね。京香さんが嬉しそうでなによりです」

慧くんもどこか嬉しそうだ。
私が嬉しそうなのもあると思うが、慧くん自身も不安要素が取り除けたことで、心から安心できるようになったのが、一番大きな要因であろう。
やっとこの問題が解決できて、私も心から安心している。
もうこれで心置きなく、慧くんとイチャイチャできる。それも嬉しかった。

「うん、そうだね。…慧くん、早くお家へ帰ろう」

今すぐにでも、慧くんとイチャイチャしたい。その気持ちで胸がいっぱいだ。

「はい。早く帰りましょうか」

自然と互いの手が触れ合い、手を繋ぎ合った。

「…今夜は覚悟しておいて下さいね」

列車を待っている間に、耳元で甘く囁かれた。
どんな甘い夜が待っているのか、今からドキドキしているのであった…。
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