恋の微熱に溺れて…

14度:止まらない熱情

嵐が去った途端、急に甘い欲求が止まらなくなってしまった…。
これはまずい。初めての感覚だ。どうしたらいいのか分からなくて、困っている。
この欲求の正体は一体、なんなのだろうか。
恋愛経験が乏しい私には分からなかった。

《京香さん、今夜も会いたいです》

最近、ほぼ毎日会っている。会っても会っても、会い足りない。

《私も会いたい。今夜、慧くん家に行ってもいい?》

仕事の休憩中だというのに、今夜もしかして…という淡い期待を想像してしまう。
ほぼ毎回そういったことがあるわけじゃないけど、する時はそれなりにする。
他を知らない私が言うのもあれだが、今まで味わったことがない感覚で。
あまりにも良過ぎて歯止めが利かず、戸惑っている。

どうしてこんなにも慧くんのことが好きなんだろう。
今まで誰かに愛されたこともなければ、愛したこともない。
だから、加減を知らない。どうするのが正解なのかも分からない。
それでも気持ちは止まらない。どんとん好きになっていく一方だ。

《いいですよ。最初からそのつもりで誘ってますので》

大体、慧くんからお誘いを頂く時は、慧くん家に行くことが多い。
だから、最初から慧くん家に行く予感はしていた。
それでも自分の意思を伝えたかった。慧くん家に行きたいと思っていることを…。
続けて慧くんからメッセージが送られてきた。
< 87 / 241 >

この作品をシェア

pagetop