恋の微熱に溺れて…
「すごい…。素敵なお部屋」

あまりにも素敵なお部屋に、私は感動した。
慧くんはいつも私に幸せなサプライズを与えてくれる。その愛の温かさに胸が熱くなった。

「京香さんに喜んでもらえてなによりです」

慧くんも嬉しそうで。私も更に喜びが増した。
この旅行中は心も身体も休まり、日頃の疲れが癒やされそうだ。

「京香さん。せっかくですし、早速温泉に入りませんか?」

温泉のためにここまで来たのだから、入らなきゃ勿体ない。

「そうだね。そうしよっか」

「あの…、京香さん。京香さんさえよければ、一緒に入りませんか?内風呂がありますし」

確かに内風呂はあるが、まさか一緒に入ることになるなんて想像していなかった。
ちょっと抵抗感がある。もう既に裸は見られているとはいえども、それとこれは別なわけで。
でもここで拒否して、変な空気になるのも嫌だ。何て答えたらいいのか迷ってしまい、上手く自分の想いを伝えられずにいた。

「…ダメですか?」

子犬のような目で、慧くんは私に訴えかけてきた。
この目はズルい。この目で見つめられてしまうと、逆らえなくなってしまう。

「…い、いいよ」

気がついたら、口が勝手に動いていた。
承諾してからもう取り消せないことに気がつき、心の中で一人慌てふためく。

「やった。めちゃくちゃ楽しみです」
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