激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない

***

 翌朝。
 彩陽は出社直後に神社のポストを確認した。
 住所も切手もない自分あての封筒を見つけ、手が震える。

 かつてのストーカーも、同じように封書を届けて来た。
 警察にも相談し、あのときは大騒動だった。

 まさか。
 震える手で開封する。

 見た瞬間、彩陽は悲鳴を上げて手紙を放り出した。
 手紙はひらひらと空を舞い、地面に落ちる。
 
 迎えに行くよ。

 手紙には、ただそれだけが書かれていた。

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