激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
紫緒はそれを追うことができなかった。
怒鳴られた恐怖に、足がすくんで動けなくなっていた。
結婚式が終わって紗苗が授与所に来ると、紫緒はすぐにさきほどのことを相談した。
「それは宮司か権宮司に言ったほうがいいね。早いほうがいいよ」
そう言われて、拝殿に行く。
千暁が片付けをしているのが見えた。嘉則は見当たらない。
「すみません、気になることがあったんですが」
「なんでしょう」
「ここではちょっと」
同じく片付けをしている彩陽がいるので、紫緒はそう言った。
「社務所で聞きましょう」
千暁に連れられ、紫緒は社務所に向かった。
社務所に着くと、紫緒はすぐに不審な男のことを報告した。
千暁は顔を険しくしてそれを聞いた。
すぐに防犯カメラの映像を確認し、人物を特定する。
「あとはこちらで対応します。ありがとうございました」
千暁に言われ、社務所を出る。
授与所に戻ってからも落ち着かなかった。
翌日の朝礼で、巫女全員に防犯ベルが配られた。
不審者に遭遇したらすぐに鳴らすように、とのことだった。
白いボディのそれを、懐に隠すように差し入れる。
とっさのときに取り出せるように、なんども確認した。
怒鳴られた恐怖に、足がすくんで動けなくなっていた。
結婚式が終わって紗苗が授与所に来ると、紫緒はすぐにさきほどのことを相談した。
「それは宮司か権宮司に言ったほうがいいね。早いほうがいいよ」
そう言われて、拝殿に行く。
千暁が片付けをしているのが見えた。嘉則は見当たらない。
「すみません、気になることがあったんですが」
「なんでしょう」
「ここではちょっと」
同じく片付けをしている彩陽がいるので、紫緒はそう言った。
「社務所で聞きましょう」
千暁に連れられ、紫緒は社務所に向かった。
社務所に着くと、紫緒はすぐに不審な男のことを報告した。
千暁は顔を険しくしてそれを聞いた。
すぐに防犯カメラの映像を確認し、人物を特定する。
「あとはこちらで対応します。ありがとうございました」
千暁に言われ、社務所を出る。
授与所に戻ってからも落ち着かなかった。
翌日の朝礼で、巫女全員に防犯ベルが配られた。
不審者に遭遇したらすぐに鳴らすように、とのことだった。
白いボディのそれを、懐に隠すように差し入れる。
とっさのときに取り出せるように、なんども確認した。