激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
週末、紫緒は友達の結婚式で着たワンピースに身を包み、神主と待ち合わせた。
駅できょろきょろと彼を探すと、声をかけられた。
「陸里さん」
振り返ると、スーツ姿の神主がいた。
神主姿しか見たことがなかったから、紫緒は彼を見つけられなかったのだ。
黒髪は整髪料で整えられ、スーツを着て穏やかな笑みを浮かべている彼は爪を隠した鷹を思わせた。
会うなり、紫緒は頭を下げた。
「天社さん、今日は本当にありがとうございます」
「千暁ですよ。恋人ですから、下の名前で呼んでください。私もそうさせていただきます、紫緒さん」
「は、はい」
神主——天社千暁の言葉に、紫緒の胸が緊張でどきどきと鳴る。
「話し方は……私は敬語がくせになっているので、このままにさせていただきます。紫緒さんは崩してくださって結構ですよ」
「そんな、申しわけないです」
「では、つきあい始めたばかりという設定にしましょうか。私が参拝に来たあなたに一目惚れして告白した、と」
千暁が微笑んだまま言う。
紫緒の胸が緊張ではなく高鳴った。
そんなに優しく笑みを向けられると、なんだか勘違いしてしまいそうだ。
電車に乗り、会場に向かう。
駅できょろきょろと彼を探すと、声をかけられた。
「陸里さん」
振り返ると、スーツ姿の神主がいた。
神主姿しか見たことがなかったから、紫緒は彼を見つけられなかったのだ。
黒髪は整髪料で整えられ、スーツを着て穏やかな笑みを浮かべている彼は爪を隠した鷹を思わせた。
会うなり、紫緒は頭を下げた。
「天社さん、今日は本当にありがとうございます」
「千暁ですよ。恋人ですから、下の名前で呼んでください。私もそうさせていただきます、紫緒さん」
「は、はい」
神主——天社千暁の言葉に、紫緒の胸が緊張でどきどきと鳴る。
「話し方は……私は敬語がくせになっているので、このままにさせていただきます。紫緒さんは崩してくださって結構ですよ」
「そんな、申しわけないです」
「では、つきあい始めたばかりという設定にしましょうか。私が参拝に来たあなたに一目惚れして告白した、と」
千暁が微笑んだまま言う。
紫緒の胸が緊張ではなく高鳴った。
そんなに優しく笑みを向けられると、なんだか勘違いしてしまいそうだ。
電車に乗り、会場に向かう。