激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
 中からドアが開き、紫緒が顔を出した。
「千暁さん!」
 千暁に警備員が襲いかかる。
 千暁はさっと身を翻すと警備員を投げ飛ばした。
 もう一人も倒し、そのまま首を軽く締めて落とす。

「やるじゃん」
 声がして、千暁は振り返った。
 ミカがいた。走って来たのか、息が切れている。

「彼らは一応プロだよ。軍隊のエリート」
 投げ飛ばされた男が立ち上がり、さっと紫緒の前に入る。
「千暁さん」
 紫緒の焦った声がした。
 千暁は壁を背にして警備員とミカを見比べる。
 ミカは腰に手を当て、大きく息をついた。

『警備が緩みすぎだ』
『申し訳ございません!』
『彼女を部屋から一歩も出すな』
『了解しました!』
 警備員は千暁を警戒しつつ、紫緒の前に立ちふさがる。

「どいて、通して!」
 紫緒は警備員を押すが、びくともしない。
「紫緒。ダメだよ」
 優しく諭すように言い、ミカは千暁に向き直る。
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