激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
「今すぐ帰るなら許してやる」
「紫緒さんを返してください」
「お前のものじゃない」
「あなたのものでもありません」
「国際問題にしてやるぞ」
ミカが口の端に笑みを浮かべる。
「やれるものならどうぞ」
千暁は挑発で返す。
「見くびられたものだな。たかをくくっているなら後悔するぞ」
「それでも彼女を渡すことはできません」
「お望み通り、日本政府に厳重に抗議してやる」
「千暁さん! ミカ!」
紫緒がもがく。が、警備員の壁を突破することができない。
ミカのスマホが鳴り、彼はそれに出る。
「お前のツレも捕まった。大人しく出て行けば罪には問わないでやる」
千暁はぐっと言葉に詰まった。
紫緒は青ざめていた。状況を悟ったのだろう。
「千暁さん……私は大丈夫だから」
紫緒はひきつった笑みを浮かべていた。
「彼女もこう言ってる。帰れよ。それとも警察を呼ぶか。どちらにしろ出て行くことになるんだけどね」
ミカは冷徹に言い放つ。
「必ず助けます」
千暁は紫緒の目を見て断言した。
紫緒の潤んだ目に、千暁の胸が痛む。
「紫緒さんを返してください」
「お前のものじゃない」
「あなたのものでもありません」
「国際問題にしてやるぞ」
ミカが口の端に笑みを浮かべる。
「やれるものならどうぞ」
千暁は挑発で返す。
「見くびられたものだな。たかをくくっているなら後悔するぞ」
「それでも彼女を渡すことはできません」
「お望み通り、日本政府に厳重に抗議してやる」
「千暁さん! ミカ!」
紫緒がもがく。が、警備員の壁を突破することができない。
ミカのスマホが鳴り、彼はそれに出る。
「お前のツレも捕まった。大人しく出て行けば罪には問わないでやる」
千暁はぐっと言葉に詰まった。
紫緒は青ざめていた。状況を悟ったのだろう。
「千暁さん……私は大丈夫だから」
紫緒はひきつった笑みを浮かべていた。
「彼女もこう言ってる。帰れよ。それとも警察を呼ぶか。どちらにしろ出て行くことになるんだけどね」
ミカは冷徹に言い放つ。
「必ず助けます」
千暁は紫緒の目を見て断言した。
紫緒の潤んだ目に、千暁の胸が痛む。