激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
 扉が開き、紫緒を挟んで男たちが現れた。
「男が四人、やれるか」
 ミカが千暁に言う。

「あなたこそ」
 千暁が不敵に答える。
「軍にいたことあるからね」
 ミカが一歩を踏み出し、千暁が続いた。

「なにするんだよ」
 焦る大晴の肩に、律が手を置いて頷いた。
 大晴は不安になりながら律とともに待った。

***

 カラオケの部屋からひきたてられた紫緒は、そこにいた男性を見て驚愕した。
 千暁さん? ミカ? それにあの二人は。
 驚きすぎて、声にならない。この組み合わせで現れるなんて。

「紫緒さん、迎えに来ましたよ」
「千暁!」
 優奈が声を上げる。
 千暁はそれを無視する。

「なんだお前」
 男が千暁にガンをつける。
「彼女を離してください。手錠をつけるなんて犯罪ですよ。すぐにはずしてください」
「こいつの趣味なんだよ。そういうプレイ」
「違います!」
 即座に紫緒は否定する。ふん、と竜介は鼻を鳴らした。
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