激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
「痛い思いしたくなかったら邪魔すんなよ」
 彼は低い声で威嚇する。
「同じことを申し上げます」
 言いざま、千暁は手近な男を組み伏せた。

「いてえ!」
 竜介がちっと舌打ちして、隣の男にあごをしゃくる。
 千暁に殴りかかる男を、ミカが長い脚で蹴り飛ばした。

「優奈」
 竜介が言うと、優奈はびくっと体を震わせ、慌てて走る。
 優奈はミカと男たちの間に立ちふさがる。

「この人に逆らったら怖いことになるのよ!」
 優奈の声には焦りがあった。

「うるさい」
 ミカは腕を振り上げた。
 千暁がその手を止める。

「女性に乱暴はダメです」
「言ってる場合か!」
 ミカは千暁の腕をふりはらう。

 その隙に男たちは紫緒を連れて店を出て行く。たちはだかった律と大晴はあっさりと突破された。

「逃げるな!」
 大晴が叫ぶ。
 追おうとする彼らの前、入り口にまた優奈が立ち塞がる。
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