激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
天は自ら助くる者を助く。
祖母がよく言っていた言葉が頭をよぎる。
努力さえすれば神様が助けてくれるのだろうか。
が、今回に関しては自助努力でどうにかなるとは思えない。そもそもこれは人に日頃の努力を促すための言葉だろうから。
紫緒はバッグに入れていたお守りの水晶を取り出した。水晶は勾玉の形をしていた。その中には虹がある。とはいってもアーチの形をしていはいない。光の屈折で虹が閉じ込められているように見えるのだ。
おばあちゃん、私を見守っていてね。
水晶を手に包み、祈る。
困ったときはいつもこのお守りに祈って来た。祈ってどうにかなることではないが、それだけで少しは気持ちが落ち着いた。
これをくれた人なら、今回のことはどうアドバイスしてくれるだろう。
何度目かわからないため息をついたときだった。
きゃっきゃと弾むような声が聞こえて来た。
外国人らしき三人の一家が手水舎にいた。
この神社は国宝級とも言われているので、外国からの観光客もしばしば訪れる。
父親と母親が水盤の中に手をつっこんだので、紫緒は目を丸くした。
手を洗った彼らはぶらぶらと手を振って水けを飛ばしている。
子供はひしゃくで水をすくってはぶん投げるように撒いて遊んだ。
唖然として見ていると、彼らはそのままこちらの拝殿へ向かった。
きっと作法を知らないんだな、とは思ったが、あまりのことに唖然としてしまった。
自分だって正しい作法を熟知しているわけではないが、彼らの行動はあまりに大胆に思えた。
祖母がよく言っていた言葉が頭をよぎる。
努力さえすれば神様が助けてくれるのだろうか。
が、今回に関しては自助努力でどうにかなるとは思えない。そもそもこれは人に日頃の努力を促すための言葉だろうから。
紫緒はバッグに入れていたお守りの水晶を取り出した。水晶は勾玉の形をしていた。その中には虹がある。とはいってもアーチの形をしていはいない。光の屈折で虹が閉じ込められているように見えるのだ。
おばあちゃん、私を見守っていてね。
水晶を手に包み、祈る。
困ったときはいつもこのお守りに祈って来た。祈ってどうにかなることではないが、それだけで少しは気持ちが落ち着いた。
これをくれた人なら、今回のことはどうアドバイスしてくれるだろう。
何度目かわからないため息をついたときだった。
きゃっきゃと弾むような声が聞こえて来た。
外国人らしき三人の一家が手水舎にいた。
この神社は国宝級とも言われているので、外国からの観光客もしばしば訪れる。
父親と母親が水盤の中に手をつっこんだので、紫緒は目を丸くした。
手を洗った彼らはぶらぶらと手を振って水けを飛ばしている。
子供はひしゃくで水をすくってはぶん投げるように撒いて遊んだ。
唖然として見ていると、彼らはそのままこちらの拝殿へ向かった。
きっと作法を知らないんだな、とは思ったが、あまりのことに唖然としてしまった。
自分だって正しい作法を熟知しているわけではないが、彼らの行動はあまりに大胆に思えた。