激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
もうすぐ着きます、という返事にいてもたってもいられなくて外に出てしまった。
ミカに抱きしめられている姿に、再び嫉妬の濁流が渦巻いた。
さらには口調。ミカには名前を呼び、リラックスして砕けているのに、自分に対してはいつも緊張と敬語だ。少しずつなんて思っていたら、あっという間にかっさらわれてしまうだろう。
彼にこそ偽装が必要だっただろう、とは彼女には言えなかった。
***
「あれ? 千暁は?」
母屋のリビングで、彩陽は母に尋ねた。
「紫緒さんに会いに行ってるんじゃない? 邪魔しちゃダメよ」
母に釘を刺されて、彩陽はむっつりと口をつぐむ。
大事な弟に、とんだ虫がついたものだ。
今まで恋人がいないことに心配とともに安堵があった。
もし恋人ができたら平静ではいらなれないだろうとは思っていた。
かわいいかわいい弟。
ぽっと出のよくわからない女に、奪われていいわけがない。
「なんとかしなくちゃ」
彩陽はぼそっとつぶやいた。
ミカに抱きしめられている姿に、再び嫉妬の濁流が渦巻いた。
さらには口調。ミカには名前を呼び、リラックスして砕けているのに、自分に対してはいつも緊張と敬語だ。少しずつなんて思っていたら、あっという間にかっさらわれてしまうだろう。
彼にこそ偽装が必要だっただろう、とは彼女には言えなかった。
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「あれ? 千暁は?」
母屋のリビングで、彩陽は母に尋ねた。
「紫緒さんに会いに行ってるんじゃない? 邪魔しちゃダメよ」
母に釘を刺されて、彩陽はむっつりと口をつぐむ。
大事な弟に、とんだ虫がついたものだ。
今まで恋人がいないことに心配とともに安堵があった。
もし恋人ができたら平静ではいらなれないだろうとは思っていた。
かわいいかわいい弟。
ぽっと出のよくわからない女に、奪われていいわけがない。
「なんとかしなくちゃ」
彩陽はぼそっとつぶやいた。