激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
「篳篥がメインメロディを奏でるんだよ」
声に眠気が混じっていた。垂れ目が眠そうにさらに垂れている。
「元気が出たからって調子に乗っちゃったかも」
律は大きくあくびをした。
「ごめん、ちょっと眠い」
言った直後には、もうかくんと首が垂れていた。
そのまま紫緒の肩に頭を載せて、寝息を立てる。
重い……。
紫緒は重さに耐えて律を支えた。
こんなに細くて、強めの風に吹き飛んでしまいそうなのに。
自分が少しでも動けば律が倒れてしまいそうで、まったく動けなかった。
結局、一時間ほど彼は眠っていた。
むにゃむにゃと起きた彼は、紫緒の肩に載っていた頬をさする。
「どれくらい寝てた?」
「少しですよ」
紫緒の言葉に、垂れ目が彼女を見る。
どきっとして、紫緒は目をそらした。
「けっこう寝てたんだ。ごめんね」
なんですぐに嘘がバレるんだろう。紫緒は気まずく正面を見た。マリーナの奥には防波堤があり、海を見通すことはできない。
「帰ろっか」
「はい」
言ってから、紫緒は少し不安になる。
声に眠気が混じっていた。垂れ目が眠そうにさらに垂れている。
「元気が出たからって調子に乗っちゃったかも」
律は大きくあくびをした。
「ごめん、ちょっと眠い」
言った直後には、もうかくんと首が垂れていた。
そのまま紫緒の肩に頭を載せて、寝息を立てる。
重い……。
紫緒は重さに耐えて律を支えた。
こんなに細くて、強めの風に吹き飛んでしまいそうなのに。
自分が少しでも動けば律が倒れてしまいそうで、まったく動けなかった。
結局、一時間ほど彼は眠っていた。
むにゃむにゃと起きた彼は、紫緒の肩に載っていた頬をさする。
「どれくらい寝てた?」
「少しですよ」
紫緒の言葉に、垂れ目が彼女を見る。
どきっとして、紫緒は目をそらした。
「けっこう寝てたんだ。ごめんね」
なんですぐに嘘がバレるんだろう。紫緒は気まずく正面を見た。マリーナの奥には防波堤があり、海を見通すことはできない。
「帰ろっか」
「はい」
言ってから、紫緒は少し不安になる。