終始不 -シュウシフ-
《うん。行こう》
予定はすんなり決まった。
お互い地元暮らしだった為、私の家の近くまで古野が車で迎えに来てくれることになった。
約束の日までまだ期間はあったので、とりあえず休みの日に美容院とネイルサロンに駆け込んで、新しい服も買った。
浮かれてるな、と自分でも思う。
必死さに何度も笑いが込み上げてきそうになった。
だけど今……古野、可愛いって言ったよね?
そんなことがあっていいの?古野の顔が見れないよ。
「お腹空いてるやんな?テキトーに店入っていい?」
「うん。ウチ……あっ。私も、お腹ぺこぺこ」
「え?うんちって言った?今」
「っ、ちゃう!!……えっと、一人称がウチで…治そうと思ってるねんけどたまに出ちゃうねん」
「へ〜。確かに関西の女子ってウチって言う人多いよな」
「そうそう。でもウチもー26歳やし治そうと頑張ってるところ」
「ちょ、坂下、言ったそばからウチって言ってもーてるって」
「え?あっ、間違えた」
「なんでやねん」