わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
「おい、大丈夫か?」
「え、えぇ。少し疲れたみたいです」
周囲にはたくさんの人がいる。ここで「毒が足りない」とは言えない。
「メイを呼んでいただけますか?」
他の部屋へ移動し、そこで休憩がてら毒を補給したい。
「いや。俺が案内する。休憩室でいいな?」
「は、はい……ですが、旦那様がここを離れてしまってもよろしいのですか?」
「問題ない。必要な挨拶は済ませたし、余興も終わった。ここで俺が君と消えても、周囲は仲が良いと思うだけだ」
なぜかその言い方に、艶めかしさを感じた。
ユージーンがクラリスを横抱きに抱きかかえる。また、会場が沸いた。
「悪いな。少し休んだら、また来る」
余計なことは言わずに、ユージーンはクラリスを連れて会場を去る。このパーティーは、昼前から始まり日が暮れるまで続くらしい。入れ替わり立ち替わり、領民の誰かはやってきてご馳走を食べて、満足したら帰っていく。そうやって交代で、すべての人に足を運んでもらうというのが、趣旨らしい。
「え、えぇ。少し疲れたみたいです」
周囲にはたくさんの人がいる。ここで「毒が足りない」とは言えない。
「メイを呼んでいただけますか?」
他の部屋へ移動し、そこで休憩がてら毒を補給したい。
「いや。俺が案内する。休憩室でいいな?」
「は、はい……ですが、旦那様がここを離れてしまってもよろしいのですか?」
「問題ない。必要な挨拶は済ませたし、余興も終わった。ここで俺が君と消えても、周囲は仲が良いと思うだけだ」
なぜかその言い方に、艶めかしさを感じた。
ユージーンがクラリスを横抱きに抱きかかえる。また、会場が沸いた。
「悪いな。少し休んだら、また来る」
余計なことは言わずに、ユージーンはクラリスを連れて会場を去る。このパーティーは、昼前から始まり日が暮れるまで続くらしい。入れ替わり立ち替わり、領民の誰かはやってきてご馳走を食べて、満足したら帰っていく。そうやって交代で、すべての人に足を運んでもらうというのが、趣旨らしい。