わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
クラリスを城館まで案内しようとしていると、庭師がメイを呼び止めた。
「この花をジョゼフ様に届けてほしくて。他にもとらなきゃならない花があるんだが、ジョゼフ様が急ぎと言っていて」
「メイ、わたくしは大丈夫よ。あとは他の人に頼むから。みんな、旦那様が戻ってこられて忙しいのでしょう?」
「申し訳ありません、奥様」
城館はすぐそこ。
メイはクラリスの後ろ姿を見送るのだが、はて? と気になったことがある。それはクラリスが手にしているもの。
「メイ。この花を頼む」
庭師に花を押しつけられて、メイはすぐにそれを受け取った。だから、クラリスに声をかける機会を逃してしまった。
「ジョゼフさんに届ければいいのですね?」
「そうだ。頼んだ」
庭師も忙しそうに、次の花の場所へと移動していた。
メイは受け取った花を両手で抱えて城館へと向かうが、エントランスではなく裏口から入る。ジョゼフの元に向かうには、こちらから入ったほうが近いからだ。
「この花をジョゼフ様に届けてほしくて。他にもとらなきゃならない花があるんだが、ジョゼフ様が急ぎと言っていて」
「メイ、わたくしは大丈夫よ。あとは他の人に頼むから。みんな、旦那様が戻ってこられて忙しいのでしょう?」
「申し訳ありません、奥様」
城館はすぐそこ。
メイはクラリスの後ろ姿を見送るのだが、はて? と気になったことがある。それはクラリスが手にしているもの。
「メイ。この花を頼む」
庭師に花を押しつけられて、メイはすぐにそれを受け取った。だから、クラリスに声をかける機会を逃してしまった。
「ジョゼフさんに届ければいいのですね?」
「そうだ。頼んだ」
庭師も忙しそうに、次の花の場所へと移動していた。
メイは受け取った花を両手で抱えて城館へと向かうが、エントランスではなく裏口から入る。ジョゼフの元に向かうには、こちらから入ったほうが近いからだ。